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第20回 リスクの高い国、インド

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2011-3-5 6:23 | 最終変更
ktakeda1  一人前 居住地: 3-11-13-111, SAKAE-CHO, FUCHU, TOKYO 183-0051  投稿数: 115
新聞を見ていないので知らなかった。最近の新聞の一面は仙台の予備校生によるカンニング事件なんだそうだ。逮捕に値するような犯罪とは思わなかった。偽計業務妨害というのなら相撲の八百長も同じだと思うのだが、こちらは刑事事件としてはお咎め無しである。不思議なものだ。そもそもカンニングというのは不思議なものだ。試験の場ではあってはならないが、社会に出てからは「美徳」である。インターネットで素早く調べ、仲間の力も使って問題を解決する。当たり前である。問題を自分ひとりで抱え込んでしまって解決チャンスを失うのがもっとも悪い。いや、カンニングを擁護するつもりは無いですけどね。

しかし新聞の一面に掲載されるというのには驚かされた。この場でマスコミの報道云々を言うつもりは無い。逮捕したのは警察である。「犯行を認めたから」逮捕されたとある。逃亡とか証拠隠滅の恐れがあるから逮捕ならまだわかるが、携帯電話も持っていて、つまり証拠隠滅も何も無くて逮捕らしい。どうもインターネットを使ってカンニングしたのが新聞の一面を飾るほどの大罪になってしまったようだ。

海の向こう、米国でも同じだ。AFPによると、ウィキリークスに機密情報を漏洩して訴追された上等兵について、米陸軍は新たに22件の罪状で訴追したとの事である。すでに12件の罪で訴追されており、これで34件になった。新たな罪状には、最高刑で死刑も適用される「敵ほう助罪」も含まれているそうだ。

情報漏えいをかばうつもりは無い。しかしたかが上等兵である。上等兵がそんな簡単に機密情報をダウンロード出来るのが疑問である。34件もの罪、しかも死刑が適用されるほどの大罪である。漏えいした情報の価値には関係なく、何が何でもありとあらゆる罪状で断罪するとの強固な意志を感じてしまう。

洋の東西、どうも世知辛いというか住みづらくなってきた。これではデモ隊にいきなりロケット攻撃をするどこかの国とあまり変わらない。インターネット社会に対する為政者の恐怖心の表れと見せしめであろう。そう考えれば相撲の八百長が摘発されないのは納得できる。
 
混迷を深めるインドの政治・経済

さてインドの話題である。残念ながら、インドにおけるカンニングの情報は持ち合わせてはいない。こちらはカンニングどころではない。昨年末にはムンバイ証券取引所のSENSEX指数が2万ポイントを超え、リーマン・ショック前に戻したが、年明けからは散々である。現在は1万8000ポイントを行ったり来たりの状態になっている。

原因ははっきりしている。インフレである。もう詳しく書く必要も無いと思うが、特に食料インフレが激しい。ついに先月23日には食料品高騰に抗議する2万5000人のデモがデリーで行われた。デモも暴動も珍しくも無いインドであるが、食料品高騰に抗議する一般市民のデモというのは初めて聞いた。


食料品高騰に抗議するデリーのデモ 





とにかく補助金等々で食料インフレを押さえ込もうと政府は必死である。貧困層に対する食料購入補助金だけで年間150億〜300億ドル(約1兆2300億〜2兆4600億円)に上ると言われている。押さえ込めないと統治が成り立たないのだから、国の財政赤字を省みる余裕など無い。

食料インフレの緊急対策としては補助金だけではない。先月23日のAFPの報道によると、政府は結婚式などで招待客の数を制限することまで検討しだしたとの事である。たしかにそうだ。「第15回 インド人も食べないインド料理」( http://bit.ly/fIEJsU )でも書いたが、あれだけの人数に何十種類もの料理を提供する。筆者も20数種類までは食べたが、油に負けて体調を崩してしまった。慣れたインド人はほとんど食べない。だから残飯も大変な量であろう。一方では食料インフレで貧困層が拡大しているのだから、当然である。原油高騰で、お隣の韓国ではすでに夜間の照明に規制がかかったとの事であるが、インドではまずは料理であろう。結婚式の料理が槍玉にあがるのも当然である。当然というか、そこまでせざるを得ないほど深刻になってきた。


結婚式のダイニングホール 




SENSEX指数が今年になって落ちてきたと書いたが、実はインド経済の変調はその前からである。国連貿易開発会議(UNCTAD)が発表したところによると、昨年のインドの外国直接投資(FDI)流入額は237億ドルとなり、前年から31%も減少した。中国や東南アジア諸国では大幅な増加となっているのに、インドだけ減少した。右肩上がりのここ数年では初めてのはずだ。最近の日本企業のインド進出は目覚しいものがあるが、世界とは逆の方向のようだ。

ゴールドマン・サックスは中国に対しても「勇気を出して、慎重な姿勢を取るのも必要だ」としているが、インドについては経常赤字と財政赤字の「双子の赤字」のほか、景気の過熱が懸念材料だと指摘している。

その上に政治の世界では汚職の問題がある。コモンウェルス・ゲームの汚職事件も解決しないまま、次の汚職事件が破裂した。携帯電話の周波数割り当てを巡る汚職事件である。

農村におけるテロ・暴動に加え、食料品高騰に対するデモ、汚職と、随分とチュニジア、エジプトに似てきた。

世界で最も危険な国々

悪い話はまとめて書こう。ウォール・ストリート・ジャーナルの3月2日の記事である。今週発表された「世界リスク・アトラス2011年版(Global Risks Atlas 2011)」 によると、成長国の中で「リスクの高い」国はインドとロシアだそうだ。
「世界リスク・アトラス2011年版」をまとめたのは、リスク分析などを提供している英企業メープルクロフト。マクロ経済リスク、安全保障リスク、統治リスクと地下経済、資源安全保障、気候変動、流行病、人権を含む社会的弾力性などで判断したとの事である。世界で最もリスクの高い国のランキングでは、ソマリア、スーダン、アフガニスタン、コンゴ民主共和国といった国が上位を占めているが、重要な経済成長国もこれらに次いでリスクが高いとされている。
メープルクロフトによると、企業の関心を最も集めていると同時に事業上の難問も最も多いのは、ナイジェリア、インド、フィリピン、ロシア、インドネシアだそうだ。BRICsではインドとロシアである。
インドは、武装イスラム過激派や毛沢東主義派(ナクサル党)反乱者からテロ攻撃を同時に受ける恐れに直面しているため、安全保障という点で「リスクが非常に高い」という評価をメープルクロフトから受けている。また、このようなランキングの悪さには、社会的弾力性の欠如も反映されている。メープルクロフトは、「同国は好調に成長しているにもかかわらず、人権面での実績が悪く、また教育、医療、衛生など、基本的な社会インフラにアクセスできない人口層が大きい。そのため、生産的な労働力創出の不足や、疾病の蔓延に弱い人口層の増加、社会不安リスクによる国情の不安定といった要因から、『世界的なリスク』に対する弾力性が弱まっている」と分析している。

いやいや、インドを一つの国と見ても仕方が無いだろう。社会インフラは別にして、毛派のテロもイスラム過激派のテロも無縁の州(国)もある。少なくとも南インドのタミール州とケララ州は安全である。

逆にもっともリスクが小さいのは、北欧諸国、カナダ、オーストラリア、韓国、日本だそうだ。北朝鮮と対峙している韓国がリスクが小さいというのには驚いたが、隣国はその方が良い。

インドでジャスミン革命は起きるか

インド・中国でジャスミン革命がおきるかどうか、インドならジャスミンではなくて火炎樹(フレームツリー)革命か。条件はチュニジアもインドも同じだ。それは次回のマイコミジャーナル「インド・中国への羅針盤」で書くことにしよう。
どうも悪い話ばかり書きすぎた。次回はもう少し明るく。インド国内のIT活用についてである。


インドの火炎樹(フレームツリー) 




しかしカンニングをした仙台の予備校生が心配だ。多分、面白半分でやったことであろうが、とんでもない結果を招いてしまった。元気に立ち直ってくれれば良いが。予備校生君、心機一転、インドでやり直す手も。

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