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第10回 続・頑張れインド 屈辱と変革と自信

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2010-10-12 4:57 | 最終変更
ktakeda1  一人前 居住地: 3-11-13-111, SAKAE-CHO, FUCHU, TOKYO 183-0051  投稿数: 115
遠くから応援している身としては非常に心臓に悪い。毎度のことと言ってしまえばそれまでだが、直前までトラブルの連続である。本当に開催できるのか、無理やり開催したとしても1ヶ国でも出場を拒否すればその時点で失敗である。ニューズウィーク誌の言うように「中止する方が賢明」という事になってしまう。
直前のタイムズ・オブ・インディア紙によれば、大会ボランティアは大会制服や無料地下鉄パスを受領後、その約半数(1万人)が姿を消したという。北京オリンピックの時も上海万博でもボランティアの若者が大活躍していた。空港でも駅でも会場でもボランティアの若者がいる。売店でも公安警察でも英語は全く通じないが、ボランティアは全員英語が通じる。筆者が日本人とわかったのか、日本語を話すボランティアが道案内をしてくれた。それなのに・・・ しかし嘆くのは良くない。考えようによっては、半数のボランティアが残った。これは素晴らしいと考えよう。
トラブルはまだまだ続く。開催直前、選手村の中で選手・関係者の横を我が物顔に走る野犬をAFPに写される始末である。
しかし周りがどんなにハラハラしても、責任者は「ノープロブレム」というだけである。それも心底明るい顔をして言う。だから腹が立っても憎めない。今回も同じであろう。

■開会式を迎えた
そんな話ばかりの中で10月3日を迎えた。英連邦競技会:Delhi 2010 Commonwerlth Gamesの開会式である。日本にいるのでどこのメディアでも開会式を見る事が出来ない。ネットでも様子が全くわからない。本当に開催できたのか、10万人の警備陣と聞くが、テロを封じ込める事が出来たのか。ちょうど3日の夜はマイコミジャーナルのコラム「インド・中国への羅針盤」を書く予定であったが、書いているどころではない。いや、書こうとは思っているのだが、何も進まない。
やっと「THE HINDU」のウェブサイトでライブ記事を見つけた。http://bit.ly/cUjjL6記事と写真だけであるが、様子が伝わってくる。素晴らしい。民族色豊かな演出で、北京オリンピックの開会式にも負けないくらいだ。ライブで見ているので、やはり原稿は進まない。仕方が無い。
しかし太鼓が素晴らしい。北京オリンピックの開会式も太鼓が素晴らしかったが、アジアには太鼓が似合うようだ。
写真を何枚か紹介しよう。






















しかし不思議である。これだけの開会式を出来る国である。単純に考えて、インドは大規模プロジェクトになればなるほど、その力を発揮する。北京に負けない開会式を行うくらいは簡単である。その国が何でこんなにトラブルを起こすのか。しかも毎度のことであるが、何事も無かったように実現してしまう。
後日であるがユーチューブで開会式の画像を見つけた。http://bit.ly/aTFzYp から見てください。

■メダルラッシュのインド
4日から競技が始まった。いきなり女子重量挙げ48kg級で、ソニア・チャヌ選手が167kgで銀メダル、サンディヤ・ラニ選手が165kgで銅メダルのニュースである。そこからメダルラッシュが止まらない。2日目には射撃で男女共に初の金メダルを獲得、直後にはレスリングで3個の金メダルと続く。その後もアーチェリー、体操、円盤投げと金メダルが続く。この原稿を書いている11日深夜の段階で、金メダルはオーストラリアに次ぐ30個を獲得した。
たしかにメダルの数はオーストラリアに次いで2番目だろうとは聞いていたが、これほどまでとは思っても見なかった。オリンピックでは北京で初の金メダルを獲得したはずだったが、イングランドもカナダも押さえて堂々の2番目である。さすがに個人競技は強い。

■小さなトラブルはまだ続く
小さなといって良いかどうかだが、まだトラブルは続いている。多分、ほとんどのトラブルは隠れているのだろうが、報道されているのは2件である。
・ 選手村のトイレの排水管が詰った
切実な問題だろうが、組織委員会の発表には驚かされた。原因は「コンドームの大量使用」との事である。単純に排水管のキャパシティが足りないだけだと思うが、それを・・・  やはりこの組織委員会はおかしい。
・ 英、豪の水泳選手50人以上が腹痛
プールの水を検査したが、問題は無いとの事である。では何故? 単純に考えて、インドの基準では問題が無いとのことであろう。常識的に考えて、大量の安全な水を確保するのは不可能だろう。もちろんインドの基準では問題は無いのだろうが、外国の選手に通用するかどうかは別である。
よくインドのホテルで泳いだが、お世辞にも綺麗な水とは思えない。一番泳いだのはチェンナイの4スターホテルの地下プールである。地下だから暗い。だからあまり見えなくて「安心感」がある。ケララ州トリバンドラムの5スターホテルで泳いでみた。ここのプールの水は安全である。顔を水につけるとすぐに目が痛くなる。大量の塩素消毒をしてある。安全だが、泳げる水ではなかった。研修の合間に泳ぐホテルもある。ここではいつも蛙と一緒にのんびりと泳いでいる。
もう一つ考えられるのは、プールサイド、控え室等に設置されている飲料水である。インドではどこに行っても25リットルの飲料水のタンクが設置されている。チェンナイのアメリカンスクール、この一角に日本語補習校がある。廊下の角にはこのタンクがある。先生も生徒もこの水を飲む。安全な水である。前回にも書いたが、特にコカコーラ社の水は安全である。前回の写真は1リットルのボトルである。25リットルのタンクの水も同じ水である。だから水質には何も問題ないし、日本の子供たちも安心して飲んでいる。
しかし筆者が行っている研修では、絶対にこの水は飲ませない。飲む事が出来るのは1リットルのボトル水だけである。水質は同じだが、消毒もせずに25リットルのタンクを再利用している。だから蛇口から出る水は信用できない。相対的にはコカコーラ社の25リットルの水は安全で、インドに住んでいる日本人にも問題は無い。「慣れ」である。しかし初めてインドに来た外国人にとって安全かどうか、それは人によって違う。次々とお腹を壊すのも当然である。インドではコカコーラとペプシの1リットルの水しか飲めない。これを徹底すれば良いだけだ。
「安全基準」とは人によって違う。筆者はセミナー等で「インドで最も信用してはならないのは、インドに住んでいる日本人だ」と言っている。彼らの安全基準はインド人と同じである。それを「同じ日本人」と思って真似をしてしまうから間違いが起きる。
インドに住んでいるオーストラリア人の真似をするのも同じである。

■見苦しいのは
オーストラリア人とニュージーランド人である。「スポーツマンシップにかける」とかで何人かのオーストラリアの選手がメダルを剥奪された。具体的に書くのもいかがなものかと思うので書かないが、筆者からすると「スポーツマンシップ」の問題ではないと考える。
大会期間中、インド政府外務省はオーストラリアとニュージーランドの政府に抗議した。コモンウェルスゲームとは直接の関係は無い。ニュージーランドの国営放送では、アナウンサーがインド人に対する人種差別発言をして辞職に追い込まれた。オーストラリアでも警察官同士の人種差別のメールをテレビが取り上げて問題になっている。
数年前からオーストラリアにおいては「カレー狩り」と称するインド人襲撃事件が多発しているが、コモンウェルスゲームでインドが注目され、差別意識がさらに強まっているのだろう。
インド側も見苦しい点があった。デリー準州首相の発言である。何とか大会を開催できて有頂天になったのか、「インドはこれでオリンピックも開催できる」と放言した。気持ちはわからないでもないし、是非、2024年には開催を願っているが、今回のコモンウェルスゲーム開催当事者に許される発言ではない。まずは責任者の処分をしてからだ。

■最大の成果
競技施設等の建設の遅れ、雨漏り、歩道橋の崩落、選手村建設の大幅遅れと衛生問題、治安・テロの危険性も含めて、各国選手団は現地入りを延期したり、一時的にホテルに滞在する等の対応を余儀なくされた。来月のアジア競技大会を開催する中国・広州の準備状況とは大違いだ。
汚職の問題もあった。最大の問題は当初予算の18倍以上に膨れ上がった開催費用をどうするのか、残された問題も山積みである。これほど準備のひどい国際大会も珍しいというか聞いた事が無い。だから特にニューズウィーク誌から「今のインドを表すのに最もふさわしい言葉は「不名誉」だ、中止して恥を受け入れろ」とまで言われてしまった。外国メディアだけではない。国内メディアからも「インドの屈辱」とまで言われてしまう。
しかし大きな成果をコモンウェルスゲームはインドにもたらした。メダルの数は関係ない。
今回の大会準備の責任者であるカルマディ組織委員長に対する非難は大きい。前回にも書いたが、彼の「外国の衛生基準は我々のものとは違う」という発言は大きかった。一斉に轟々たる非難があがったようである。ネットでは「インド人も衛生的なところに住みたい」「インドが恥ずかしい」との声が多い。旧い因習や不正に対する批判もあがった。
ネットだけではない。開会式では彼に対して一斉にブーイングを浴びせた。直接の利害の敵対ではインド人も怒る。しかし逆に言うと、利害に関係ないところで怒る姿はあまり見かけない。それが今回は違った。「屈辱」として怒った。
オリンピックを開催すると格段にインフラが良くなる。しかしオリンピックの良いところはインフラ建設ではない。国民の一体感を作り上げる事が出来る方が大きい。民族、言語とかカーストの違いではなくて「インド国民としての一体感」が出来ない限り、いつまでたってもインドは発展途上国のままである。発展途上国というか、一部の限られた層だけが富む社会である。「労働者への尊敬がなければ、彼らがまじめに働くことはない」とはニューズウィーク誌の名言である。
その意味で組織委員長は良い仕事をした。インド国内の彼に対する怒りが変革の始まりになれば、彼は最大の功労者である。
あと少しである。大会も半分を過ぎた。2024年、筆者は電動リキシャーに乗ってマラソンを追いかけたいのだ。
頑張れインド。
India,Do your best. For the success of the Commonwealth Games.

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■ETERNAL TECHNOLOGIES Ltd. 竹田 孝治ktakeda1@eternal-t.com zhutian0312@gmail.com
iPhone:090-6531-4099 IP:050-3632-4099
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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2010-10-12 16:26
ktakeda1  一人前 居住地: 3-11-13-111, SAKAE-CHO, FUCHU, TOKYO 183-0051  投稿数: 115
デリーの山田さんから第2回のコラムにコメント有り。
今回にも関係するので転載します。

http://eternal-t.main.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=33
投票数:133 平均点:4.89

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