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第7回 BJT廃止なら漢字能力検定協会は日本語教育から退場を

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2010-8-31 10:35 | 最終変更
ktakeda1  一人前 居住地: 3-11-13-111, SAKAE-CHO, FUCHU, TOKYO 183-0051  投稿数: 115
日本漢字能力検定協会(漢検)は来年度からのBJTビジネス日本語能力テスト(BJT)を中止すると発表した。今回は先週24日のマイコミジャーナル「インド・中国への羅針盤」(3)―BJTビジネス日本語能力テストの再開を願うーの続編である。
8月18日、メディアはいっせいに本件を報じた。どの紙面を見ても同じような記事だが、漢検の発表は簡単にいうと以下のような内容である。
・今年度でBJTビジネス日本語能力テストは中止
・中止理由は赤字
・前執行部が原資の状況を確認しないまま買い取った

BJTは、日本語コミュニケーション能力を評価する外国人向けの試験で、その名の通りビジネスという観点では、国際交流基金と財団法人日本国際教育支援協会が主催するもう1つの「日本語能力試験」(JLPT)に比べて非常に評価されている。また民間による試験とはいえ、入国管理局による在留許可、各大学・専門学校への留学許可の判断等にも使用されており、事実上。国家資格と変わることは無い。そもそもBJTは、日本企業の海外進出にあわせて、優秀な外国籍従業員の確保を目的としてJETROが生み出したものである。その運営には毎年数千万円の国庫補助を受け、2008年まで大連・香港を中心として確実に定着していった。たしかに2009年度から民営化され、漢検に移管された。しかし漢検の私物ではない。税金を投入し、日本企業が期待し、日本語学習者が利用したものである。わずか1年間の「赤字」を理由として一財団法人の判断で中止できるものではない。里子に出した子供を路頭に迷わすな。
ここまでがマイコミジャーナルで書いた内容である。

■元理事長が国にだまされた?
マイコミでも「赤字理由は本当か」と書いた。毎年、国庫補助で運営していたものである。それが民営化されたとたんに黒字になると考える方がおかしい。しかも中止決定は今年の春に行われたとのことであり。昨年度の2回の試験だけで判断したようだ。
受験者数はどうか。JETROが運営していた2008年度までは確実に増えていた。2008年度は過去最大の9300人が受験したが、漢検に移管された2009年度は7000人弱に激減した。
激減そのものは全て漢検の責任では無いだろう。
・JETROから移管されたときに受験料が大幅に高騰する計画だった
・最も受験者の多い大連市政府からの補助が打ち切られた
・世界各地のJETROの事務所を試験会場として使えなくなった
一時的に受験者数が落ち込むのも当然であろう。しかしこれらは入札段階でわかっていたことである。漢検はそれを「元理事長が原資の状況を確認しないまま買い取った」と元理事長の責任にしている。内部の論理ならそれも良い。しかし契約も済ませておいて、それは「元理事長の判断の間違いだから守る必要は無い」などと普通は言えるはずは無い。

現在の池坊保子理事長のブログがある。8月28日付の日記「暑い日に思うこと」にこの件について書かれているので引用する。
「この際、国に倣ってではありませんが、事業仕分けをしようと判断しました。
 本当に必要なもの、いらないものをしっかりと峻別することも、公正公平かつ透明性のある運営をしていくためにもしなくてはならないことの一つと考えました。」と始まる。
まずは廃止の理由である。
「なぜ廃止するかというと、1億2千万円ほどの赤字を出しており、それを真面目に誠実に、時に家計を切り詰め、時にお年玉を貯めて受験してくれているだろう国内の漢検の受検生に対して、その受検料で赤字を補完することに対して、私はそれだけの存在意義があるか、価値を見出せないのです。」
つまり赤字を出してまで続ける価値が無いと判断されたとのことである。次に政府批判であるが。これはいくら何でも暴論だろう。
「本来、経済政策上、必要とするならば、たとえ赤字を出しても存続すべきだったはずです。もはや経済政策上、必要でないと判断し、身売りを決断したのです。」 
BJTも「簡保の宿」と同じであるとの論理である。そして政府と元理事長への責任転嫁である。
「私はそのような状況下において、民間に身売りをすることに対して、異議を申し立てたい思いがしますが、元理事長も、多分政府がやっているということで100%信用し、これを引き受けたのだと思います。」
評論家の論理としてなら理解は出来るが、現実の公益法人の責任者としての発言だとは思えない。

■中止なのか廃止なのか
8月18日の報道以来、どうやら漢検に対する批判が多かったようである。27日、漢検は新たな声明を出した。「BJT関係者の皆様」に対して「2011年度以降のBJTビジネス日本語能力テスト事業中止について」と題した理事長名での声明である。これまで「中止」としか発表していなかったが、ここで初めて「再開」について言及した。

「BJT事業は移管当初から赤字の傾向にありましたが、2009年度の赤字額は1億2500万円に及び、その赤字額を漢検の受検者から得た受検料で補填する状況となっております。
今後もこの赤字状況が続くことが見込まれるとともに、現時点では経済政策上の意義が希薄であると考え、BJT事業はいったん中止するとの決定に至りました。
 (中略)
 当事業の今後ですが、赤字体質を抜本的に改善した上で、数年後に再開したいと考えております。」
さすがに批判が多く、再開を言わざるを得なくなったようだ。
しかし上で挙げた池坊保子理事長のブログは翌28日の日記である。ここでははっきりと「廃止」と書かれている。組織名では「中止・再開」と言い、翌日に個人名で「廃止」と書く。本音はどちらなのだろうか。

■赤字理由ではない、全く別の試験を準備
ホームページ上で公開されている漢検の事業計画書を見た。そこにもBJTの中止について書かれている。そして別項目で、「検定事業開発」という項目がある。引用する。
『「日本語の文章能力を測定する検定試験」の開発に着手します。
漢字は日本語との関係性の中で存在するものですから、漢字能力を獲得する上で欠かせないもので、さらにその強化につながる「日本語の文章能力を測定する検定試験」の開発に着手します。』とある。
 収支予算の項目を見ると、BJTは今期約8千万円の赤字見込みであり、中止される来年度以降の収支については「未定」となっている。また、「日本語の検定事業」の予算では、今期2千万円、来期4千万円。そして新検定試験が始まるであろう平成24年度においては1億7千4百万円の大幅な赤字見込みとしている。どうやら「赤字が理由」云々ではないようだ。
 では「日本語の文章能力を測定する検定試験」とはどういう試験なのか。池坊保子理事長のブログにイメージが書かれていた。引用する。
『私は外国人に向け、日本語能力を高めることは必要と考えます。
 確かに今、経済連携協定(EPA)・自由貿易協定(FTA)によって、福祉士、看護師、多くの現場で働くフィリピンなどの人が日本に来ています。
 が、現実には、彼らは日本語の難しさ、並びに現場で働く職業上の言葉の難しさに、試験をパスできないで、希望に溢れた前途を断ち切られ、失意の中で帰国することが多いのです。
 それらの現状を考えると、丁寧に分かり易く日本語を広めることは、近々の課題であると思います。
 そしてまた一方では、ブラジルから多くの日本での出稼ぎを許可し、それに伴って来日した子弟たちの教育が未だ不十分であるのが現状です。
 それらのことを思うとき、今最も必要な日本語能力は、どういう人を対象にし、どういうカリキュラムが必要なのかを考える必要があると思います。』

これで漢検の新しい方針がわかった気がする。日本に来て働こうとする多くの外国人労働者に対する日本語教育をどうするか、現状では非常に問題が多い。たとえばODA予算を使ってアジアの看護士を日本に招いても、日本語能力試験(JLPT)合格が条件となるために結局はほとんどの人が帰国せざるを得ない羽目になっている。どうやらその分野でJLPTに変わる「日本語の文章能力を測定する検定試験」を目指しているようである。漢検も良いことを計画している。
漢検の事業は「漢字能力検定」が主力である。現在のBJTとは距離がある。それに比べて新検定は『漢字は日本語との関係性の中で存在するものですから、漢字能力を獲得する上で欠かせないもので、さらにその強化につながる「日本語の文章能力を測定する検定試験」』は漢検の事業としては非常に的を得ている。
経営的には非常にわかりやすい。「漢字」に経営資源を集中させようとしている。また、アジア、ブラジル等からの出稼ぎ労働者を対象にするのなら、現在のBJTより飛躍的に受験者は増えるだろうし、経営的には正しい選択と言わざるを得ない。

■漢検は撤退を
しかしそれは現在のBJTとは無縁の試験である。「赤字体質を抜本的に改善した上で、数年後に再開したい」とあるが、試験の対象者が全く違う。
日本企業に就職するため、あるいは日本の大学に留学するために勉強している学習者、彼らを採用したい日本企業、各地で教育カリキュラムにBJT対策を組み込んでいる教育機関等々の存在は漢検の目には映らないようである。
「5年間は継続する」、聞くところによるとこれがJETROから移管時の入札条件だったとの事だ。それが2年で「廃止」である。新検定制度について批判するつもりは毛頭無いが、それならばBJTを他団体に移管して漢検は新検定制度に専念すれば良い。「廃止する、移管もしない」のなら、漢検は日本語教育の分野から撤退するべきである。漢検が信用を失うのは勝手だが、日本が信用を失ってしまう。
やはり執行部が変わっても、この団体の金儲け主義の体質は変わらないようである。


■ブラックベリー問題はどうなったか
BJTの件はこれくらいにしておこう。このコラムは「IT見聞録」である。いよいよ8月31日だ。前回の「第6回 織姫と彦星がインド、中国、日本を繋ぐ」でも書いたが、インドからブラックベリーが撤退するか否かが決まる日である。
ブラックベリーの次に規制対象になるスカイプもグーグルも固唾を呑んで見守っているだろう。企業だけではない。インドに続けと待ち構えている国もあるし、表向きの発言は無いが内心では苦々しく思っているであろう米国政府も結論を見守っている。
日本でスマートフォン(多機能携帯端末)と言えばiPhoneだが、インドでは圧倒的にカナダのスマートフォンメーカー、リサーチ・イン・モーション(RIM)社製のブラックベリーが強い。ここで撤退すれば市場を失うし、インド政府の要求を呑めば他の国でも呑まざるを得ない。
問題になっているのはブラックベリーの強力な暗号機能のために、インド政府が電子メールおよびインスタントメッセージング(IM)の内容を把握出来ない事である。そのためブラックベリーがテロリストに悪用される危険性があり、政府が解読できるようにしろとの要求である。
インスタントメッセージング(IM)については解決がついたようである。残るは電子メールである。
すでにインド政府は主要な無線サービスプロバイダーに書簡を送付し、RIM社が現地時間8月31日までに同政府の要求に応じない場合、各社は電子メールおよびインスタントメッセージング(IM)サービスを遮断する必要がある旨を通知した。具体的にブラックベリーのサービスを遮断する準備に入った。
この問題はインド政府とRIM社の間だけの問題ではない。グーグルもスカイプも同じ問題を抱えている。インド政府だけでなく、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、インドネシア政府も同じ要求をしている。当然、他の国々も続くであろう。
それだけではない。もっと根本的な問題がある。どれだけ強力な暗号機能で守られているといっても、米国の情報機関だけには全ての内容が伝わっている。つまり米国だけが独占的に把握する事が出来ていた情報を、他国の政府にも開示するか否かの問題である。
少し形態は違うが、この春の中国政府とグーグルの間の争いも基本的には同じ問題である。中国市場を失い、今またインド市場も失いかねない。それは企業としては不可能であろう。

■少し軽い話も
BJTとブラックベリー問題では話が重過ぎる。少し軽い話題も。
ブラックベリーもインドで流行っているが、SNSのFacebookもインドで流行っている。日本ではTwitterだが、インドではFacebookである。ちなもに筆者は両方使用している。
そのFacebookの活躍の話題である。
 CNNニュースから引用する。
「首都ニューデリーの交通警察はこのほど、市民の交通マナー向上に向けて、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)サイト、フェースブックに専用アカウントを設けた。違反の通報が多数寄せられ、効果を上げているという。
アカウントには5月の開設以来、1万8000人以上のファン登録があった。警察側は当初、道路の損壊や標識、照明の不備などに関する苦情が集まるとの見方を示していたが、予想に反して交通違反の通報が相次いだ。1台のバイクに大人3人と子ども3人が乗っている画像など、定員オーバーや駐車違反、違法ナンバープレート、ヘルメット不着用といった違反行為の通報が、写真や動画付きで寄せられている。その数はすでに3000件を超えた。
同市交通警察によると、600万台を超える自動車や軽車両が行き交う同市では、1日あたりの交通違反摘発件数が1万件近くになる日もあるという。
同市交通警察トップのサティエンドラ・ガルグ氏によると、画像に写ったナンバープレートなど、フェースブックの情報のみを根拠に発行された違反通知は、約700件に上っている。フェースブック経由の通報に対応する専任スタッフも配置されたという。」
 下の写真は保険会社の広告の写真である。この広告も取締りの対象になるかもしれない。

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