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第5回 インド国内IT市場の爆発はいつか

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2010-8-3 5:12
ktakeda1  一人前 居住地: 3-11-13-111, SAKAE-CHO, FUCHU, TOKYO 183-0051  投稿数: 115
■上海のVIP待遇に驚きと少しの失望
中国出張から帰ってきた。今回は上海、南京、大連を周ってきた。メインの上海行きは、ある地方政府の招待だった。豪華なシャングリラホテルの上層階、1泊4万円以上の部屋に宿泊というのには驚いた。もっと驚かされたのは、「ゲストを代表して5分間のスピーチを」依頼されたことだ。気楽に引き受けたが、「正式報告書に残したいので原稿も」との依頼。このコラムの原稿とは訳が違う。政府の公式文書として残すらしい。外灘(ワイタン)の夜景を見下ろしながら何とか書いた。
こんな豪華なホテルに泊まるのは3回目だが、いつもホテルの部屋に缶詰になってしまう。ムンバイのホテルでアラビア海の夕日を見ながら、香港の夜景を見下ろしながら、何故かいつも23階だ。どうやら鬼門の数字のようだ。
幸か不幸か、時間切れでスピーチは無くなった。しかし副省長のすぐ後ろの席というのは、どうも座り心地が悪い。宴席も良くない。メインテーブルだ。非常に美味しい料理だったが、一口箸をつけるだけで下げられてしまう。そのうちにメインテーブルには誰も座っていない。立ってワインと白酒を飲みながらの歓談だ。だから箸もつけていない料理が次々と並ぶだけである。わざと末席のテーブルに行って、他人の料理を食べるのが関の山である。

■高速列車「和諧号」で初の南京訪問
2泊3日の上海を後にして、南京に向かった。新しい高速列車「和諧号」である。上海虹橋駅ではなく上海駅から乗った。そのため一番速い時速350kmには達しなかったが、発車9分後には330kmに達した。揺れも少ない。日本の新幹線より快適である。南京まで直通運転である。バンガロール、チェンナイ間のシャタブディ・エキスプレスも早く高速化して欲しいものだ。少し驚いたのは定刻1分前に発車したこと。全員が乗ったかどうかなどどこでもチェックしていなかったが、これで問題が起きないのか不思議である。
南京は初めてである。緑の多い街だ。暑いし、インドを思い出す。
南京で1泊して大連へ。やはりこの街はチェンナイと並んでもっとも安心できる。VIP待遇とは裏腹に今回は貧乏旅行である。カラオケクラブに行ったのも南京の1回だけ。南京でも大連でもご馳走になってばかりだった。持つべきものは友である。この場を借りて御礼申し上げます。
 
■インドIT大手3社の1Q決算に驚き
 さてインドはどうか。タタ・コンサルティング・サービシズ社(TCS)、インフォシス・テクノロジーズ社、ウィプロ・テクノロジーズ社(Wipro)、IT大手3社の4-6月期決算が出揃った。一番の驚きは、TCSもWiproも少なくともルピー建てでは増益であるにも関わらず、インフォシスだけがルピー建てで減益になったことだ。顧客に対する値下げとユーロ安の影響だとの事だが、ユーロ安など他の2社も同じである。「ソフトウエア輸出事業のファンダメンタルズとは無関係だ。情報技術(IT)サービスの世界的な需要は強固であり、わが社は業界の見通しは全般的に明るい」との発表だが、俄かには信じがたい。
 TCSとWiproは財閥系、インフォシスは旧SATYAMと並んで独立系である。昔のSATYAMもそうだったが、インドITの最も輝かしい企業である。
 もっとおかしいのは、減益発表前日の7月12日にインフォシスの株価は過去最高となった。そして翌日には『インフォシス・ショック』の暴落である。SATYAMは買収を恐れ、株価維持のために粉飾に手を染め、粉飾を隠すためにさらに粉飾を大きくした。粉飾発覚前の不可解な動きには面食らった。最後は「降り方をわからずに虎の背にまたがってしまった」との言を残して当時のラジュ会長が逮捕され、会社は身売りとなった。
 インフォシスに限ってSATYAMと同じ道は歩まないだろう。単なる一時的な減益であって欲しい。そう信じたいが、株価の過去最高値の翌日に暴落というのは理解が出来ない。
 本件でもう一つ驚いた事がある。「インフォシス・ショック」である。2年前までなら、ムンバイ証券取引所の株価指数「SENSEX」も暴落するはずである。しかし今回はさほど影響が無かったようだ。IT産業のインド国内における位置も下がったものである。下がったといっても、他の産業の発展がそれだけ目覚しいのだろう。

■インド国内IT市場はどこで爆発するか
 面白いニュースがあった。インドの国内でデータ入力の業務を刑務所の囚人が行っているとの事である。インド国内のデータ入力を手がけているようだ。ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)の世界もここまで来たか。
この件で思い出した。Wiproの国内BPOへの取り組みがどうなったかである。都市の人件費が高くなり、人件費の安い地方でBPO業務を立ち上げるとの事であった。その後の話は聞いていない。
人件費が高い安い? そんな事はどうでも良い。IT大手がついに国内市場に本格参入しだした。インドはIT後進国である。業務効率化にITを活用するのは社会的に悪である。効率化=人減らしでは問題になる。だからインドで自動販売機というのをまだ1回しか見た事が無い。世界に誇る公衆電話網で国際電話をかけていると刻々と料金が表示される。電話代の領収書も発行される。しかし電話代の受け渡しそのものは人手である。料金支払いを自動化すると、電話屋の職員が失業してしまう。だから「悪」である。
国内IT市場というのは非常に小さい。IBMは参入しているが、国内IT大手はほとんど見向きもしなかった。BPOという限られた範囲ではあるが、Wiproが参入した。
ではIT市場そのものはどうなるのか。これだけの経済発展をしている国である。いつまでもIT市場を無視できるわけが無い。市場の爆発はどこから発生するか。

■動き出したIT需要
 その最大のトリガーとなる12億人の国民に対するIDカードの発行が今月から始まる。単なるカード発行ではない。既存の国内公共システム全てと繋げる。IT大手を始めとして、官民を挙げてのプロジェクトである。第一段階は5年以内に6億枚のIDカードを発行する。
IDカードに記録されるのは、氏名、性別、生年月日、国籍、本籍地と住所、職業、顔写真、指紋等々を含む。桁数は16桁もある。銀行の口座開設、食糧の配給、子供の入学手続きも全てこのカードで行う。預貯金の情報が全て明らかになってしまうという富裕層の反発もあるが、とにかく巨大システムが動き出した。
一般民需はどうであるか。小売業の自由化がある。これだけで大きなIT需要が生まれる。製造業の成長は、当然のように生産管理システムの需要も大きいし、何といっても組込み系ソフトウェア開発に波及する。3G、WiMaxと6億3千万台の携帯電話がある。NOKIAが手がけている農村部の情報サービスも大きく成長するであろうし、都市でも情報サービス市場が生まれる。
若者はオンラインゲームに走るであろう。中国の若者がそうであったように、巨大なゲーム市場が生まれる。
それがいつなのか。来年なのか再来年なのか。
中国のIT投資9千億元で中国国内IT市場が爆発したように、インドの市場も爆発する。その時、現在のオフショア開発中心のIT大手は大きく変わるはずである。

■大連新港の石油パイプライン炎上事故
 7月16日、大連郊外にある大連新港の石油パイプラインが爆発・炎上した。メキシコ湾の原油流出事故とは規模が違うが、半島の東側・新港から黄海に原油が流れ出した。原油が養殖場を覆い、観光地・金石灘の砂浜をも真っ黒にした。異臭は市内まで届いた。弊社社員のマンションは市内の高台にあるが、そこまで異臭が届いた。
問題はそれだけではない。港そのものが2日間とはいえ完全に閉鎖された。大連新港とはどこにあるか。市内から北東に行った港であるが、実はこの港は日本国内の主要港と同じである。大連市開発区は日本企業の巨大なコンビナートであり、その物流の中心が大連新港である。ここは中国であるが、日本でもある。大連にとってIT産業などは小さな存在である。日本の製造業の拠点である。
5月には日本経済新聞社の大連支局が開設された。メインのターゲットは開発区のコンビナートであろう。日本にとって非常に大きな存在の港である。日本だけではない。先日の北朝鮮金主席中国訪問の最初の地が大連だったのも、目的はこの港の視察である。
 火災の消火に遼寧省全土の消防車が集められたと聞くが、当然である。今回の大連出張は港が再開した後だったが、原油除去作業はまだまだ続いている。筆者にとっては大連の海鮮料理を食べられるか否かの瀬戸際である。今回は開発区までは行けなかったが、早く復旧して欲しいものである。

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