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第3回 荒れるインド

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なし 第3回 荒れるインド

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2010-7-8 11:24 | 最終変更
ktakeda1  一人前 居住地: 3-11-13-111, SAKAE-CHO, FUCHU, TOKYO 183-0051  投稿数: 115
―現代自動車の工場でストライキ、トヨタも操業停止に― 
最近の中国関連のニュースを見ていると、毎日のように労働争議の情報に接する。工場労働者の賃金Upの要求に「世界の工場」が揺れている。「低賃金」を前提としたビジネスモデルそのものが揺らいでいる。日本企業の中には、中国以外の国への生産拠点の移設を検討しだしたところもあると聞く。そのひとつの候補がインドである。
しかし、この現代自動車とトヨタのストライキは中国の話ではない。もちろん中国でも発生しているが、「中国よりも低賃金」のインドの話である。
日本ではあまりニュースで報じられないが、インドでも労働争議は日常のことである。
6月6日、チェンナイ市郊外にある現代自動車チェンナイ工場で1500人の労働者のストライキが始まった。翌7日には生産ラインが全面的に停止した。昨年、御用組合とは別に新たな組合認知を求めてストライキを行った労働者が解雇され、彼らの復職を求めて行われたのが今回のストライキである。
 8日には警官隊が突入、約200人を拘束して今回のストライキは終結した。
 日系企業でもストライキは発生している。日系企業における労働争議で最大のものは、たしか2005年だったか、デリー郊外グルガオン工場での争議である。最初は賃金Upを求める自然発生的な争議だったが、最終的には暴動にまで発展した。聞くところによると、日本人管理者が直接に労務管理を行い、それが事態をこじらせて暴動にまで発展したとのことである。
 
中国の田舎もすでに消費社会
 中国の労働争議はある面では単純である。あくまでも賃金を含めた待遇改善要求である。最近では、政府も半ば公認の争議となっているようだ。内需を拡大するには労働者の賃金を上げるのが一番早い。
賃金の高騰は大都市だけではない。弊社の中国人社員の1人はベトナムとの国境の街の出身である。行ったことは無いが、多分、田舎の町だろう。彼に聞くと、すでに国境の向こう側、ベトナムの田舎の労働者と比べて10倍の賃金らしい。そこには「低賃金」をベースとした「世界の工場」の面影は無い。「低賃金のベトナム人労働者」を使って消費社会を享受しているようだ。
昨年のゴールデン・ウィーク、寧夏回族自治区の北端、目の前が内モンゴル自治区という石嘴山市に行った。別の弊社社員の結婚式に出席するためだ。砂漠化という自然との戦いは厳しそうだが、ここも消費社会である。新婦の実家は瀟洒な作りだが、家の中は広々とした作りである。どこに行くにも自家用車だ。ホテルの裏側の朝市に行ってきた。商品は豊かである。新婦の母親の友人が回族料理屋を経営していて招かれたが、大連辺りの街角の料理屋と何ら変わることは無い。違いは海鮮でも豚肉でもなくて羊の肉という事だけだ。3年前に行った北朝鮮との国境の街・丹東もそうだった。違いは韓国料理屋が多いくらいだった。
湖南省の省都・長沙から車で故毛沢東元主席の生家に向かった。田園の中を何でこんなに舗装された広い「農道」が続くのかと不思議だったが、農家の風景も日本の農村と何ら変わることが無い。中国の田舎は貧しいなどという話は嘘だと最初に思ったのはこの長沙である。上海のビジネス街の方がもっと貧しく感じた。
さらに豊かな生活を目指して労働争議も起きるのだろう。暴動の話も聞くが、民族問題を別にすれば基本は経済面と腐敗した幹部に対する反発である。

複雑なインドの争議 
それに比べるとインドの争議は複雑である。もちろん最初は待遇面の紛争である。中国との違いはインドの方が格段に貧しいということである。貧しければ貧しいほど先鋭化するのは当然である。その上に中国と同じように内需が爆発している国である。一方的に貧富の差が拡大する。
しかしそれだけではない。ホンダの暴動のケースなどは、外国人による労務管理が火に油を注いだ。カーストの問題もある。労働者内部にもカースト間の対立がある。こんな対立に外国人が介入するわけには行かない。
企業内部の問題だけではない。今回のトヨタの操業停止が典型的な話である。
7月5日、政府が決めたガソリン補助金廃止などに抗議し、野党インド人民党や左派諸政党の呼び掛けで全国ストが実施された。ゼネストである。トヨタも巻き込まれた。
暴動で休業に追い込まれるケースも多い。中国のように名前も知らないような地方の町で起きる暴動ではない。3年前だったか、デリー周辺で起きた「カースト間戦争」ではグルガオンの多くの日系企業が休業に追い込まれた。バンガロールでもゼネストから暴動になり、多くの企業が巻き込まれた。筆者の友人も逃げるのに恐怖を感じたようだ。
しかしこれら野党とか貧しい人たちが起こした暴動はまだわかりやすい。わからないのは地方政府の命令で行われるゼネストである。中央政府の政策に反対してゼネストを地方政府が指示する。もちろん逆らうわけには行かない。
最近のチェンナイの日系企業では賃金が高騰している。日系企業間同士の引き抜きが多発し、うなぎ上りの高騰である。だから待遇面での不満からのストライキは起こりにくい。企業努力とか、内部の問題で起きる争議を抑える事はある程度できる。しかし外部要因で休業に追い込まれるのは防ぎようが無い。
日本企業の進出にはまだまだ大きな壁がある。

この先、インドが中国に代わって「世界の工場」になれるか。基本的に無理であろう。インドも中国と同じように内需が爆発している国である。賃金の急騰が今後も続くであろう。「低賃金」を武器にした「世界の工場」の道を中国は放棄したようだが、インドも代わることは出来ない。「技術力」の向上しか「世界の工場」になる道は無い。
 ちょうどITと逆である。「安さ」の道を随分と昔にインドは放棄した。大規模プロジェクトのマネージメント力と技術力で「世界のソフトウェア工場」の地位を築いた。それに対して中国のソフトウェア業界が「安さ」を武器に一時的に日本からのオフショア開発で繁栄をしたが、賃金の高騰でその武器も失いつつある。中国のソフトウェア業界も「安さ」でインドを追いかけるのではなく、新たな道を見つけるしかない。

荒れるインド
 毛派のテロはわかりやすい。経済発展が進めば進むほど生活が苦しくなる貧困層を基盤としている。自分たちの土地を強制的に取り上げていった権力にテロの矛先が向かう。毎月のように警察部隊を襲撃している。
ストライキも暴動も日常的な話である。よく理解は出来ないが州ごとのゼネストも聞きなれている。しかし最近の2件の事件には驚いた。
 1件は上で書いた全国規模のストライキである。石油の販売価格の上昇に対して、人民党と左派勢力という相容れない2つの勢力が呼びかけてストライキを成功させてしまった。
 5月の自動車メーカーの売り上げは軒並みに対前年度比で10%以上の増加、ナノを擁するタタ自動車にいたっては前年同月比で49%という記録的な増加となった。5月の輸出全体で見ると対前年同月比35.1%増の161億ドル、卸売物価指数(WPI)は専門家の前年同月比9.6%上昇という予想に対して10.16%上昇に達した。
その経済成長に取り残された層の反発がますます拡大している。
もう1件はテロである。イスラム過激派のテロは少なくなったが、昨年から毛派の警察部隊襲撃を聞かない月は無い。先月もどこかの警察署が襲撃され、20数名の警察官が殺されている。こんな事を書くと殺された方々のご家族には怒られそうだが、ニュースに接しても「またか」という気持ちしかわかない。
それよりも別のテロが発生した。6月12日、チェンナイの南方約190キロ,プドゥチェリー(旧フランス植民地ポンディチェリー)の西を走る鉄道線路が爆破された。爆破地点を通過予定であった急行列車は駅員等の事前連絡で徐行・停止したため難を逃れたとの事である。翌13日、チダンバラム連邦内相は本件をテロリストの犯行と断定した。人的被害そのものは無かったようであるが、問題はテロの場所である。
チェンナイの南方約190キロといっても、タミール・ナドゥ州である。全国でどれだけテロの嵐が吹き荒れても、タミール・ナドゥ州だけは関係ない。タミール語を話せないイスラム過激派のテロリストは侵入できない。気温も高く水もあるために最低限の生活が出来、毛派も影響力を持てない。だからテロには無縁、あるとしてもスリランカのタミール過激派くらいだろうと考えていたが、ついにテロが起きてしまった。これでテロから無縁な州はインドの地図から消えてしまった。


今月末はまた上海へ
 21日からまた上海に行く予定である。何か急に上海行きが増えてきた。個人的にはあまり好きな街ではない。何といっても中国で最も貧しい街である。マクドナルドとケンタッキー・フライドチキンの街である。しかしさすがに仕事の話は多い。我慢のしどころである。

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